GDPを上回るGNIが日本の実力
かつては日本経済の規模といえばGNP(国民総生産)でした、いまは、GDP(国内総生産)を使うのが普通です。
ところで、GNPとGDPの違いは何でしょうか。
GNP/国民総生産は、生産によって日本経済へ貢献(付加価値)を国籍(日本人、日本企業)によって合計します。今のGDP/国内総生産は、国境線によって日本国内で生産された付加価値の合計です。
皆様すでにご存じのように、最近の日本経済は、海外で日本企業が結構な利益を上げるようで、配当として支払われる金額(国際収支統計の経常収支の中の第一次所得収支)が大変大きな金額になってきています。
以前は、「日本企業は海外に行っても市場拡大がやっとで、利益率は低い」などと言われたものですが、今は利益を上げ巨額な配当を送ってきます。
平成27年(暦年)の数字を見ますと20.8兆円で、前年比2.7兆円増です。ところがこれは日本国内で生まれた価値ではないので、GDPには入ってきません。
日本のGDPは503兆円(今年度、政府経済見通し実績見込)ですが、これには第一次所得収支の20.8兆円は入っていないのです。
では何を見れば、全体が把握できるのでしょうか。
こうした海外からの所得収支を加えたものは、以前のGNPと似た概念で、今は、GNI(国民総所得:所得ですから生産面ではなく、同じものを所得面から捉えたもの)として国民経済計算(国民所得統計)に示されています。
ということで平成27年度のGNI/国民総所得(政府経済見通し実績見込)を見ますと527.1兆円になっています。
つまり、国民総所得として日本国民が使える金額は527兆円余で、そこまで使っても日本国は赤字にならない、ということです。
この増えた分というのは、サラリーマンの家計で言えば、賃金のほかに持ち株の配当が入るようなものです。それも結構な金額です。
日本が本格的に資本蓄積国家になった証拠でしょうか。これも日本の実力です。
実力が付いたお蔭で考えなければならないことも増えました。
かつて日本は大幅な貿易黒字で、輸出しすぎるという批判を受け、アメリカとは、繊維交渉から、鉄鋼交渉、自動車交渉、半導体交渉と貿易摩擦を繰り返してきました。それでも黒字が続くので、何とか日本を弱くしたいとプラザ合意で円高を強いられました。
最近は、貿易収支は赤字のこともあるぐらいになりましたが、第一次所得収支(海外からの配当収入)が大きくなって、経常収支の黒字は続いています。
黒字の国は赤字の国(代表はアメリカ)から妬まれます。万年黒字の日本は「経済戦争の防衛力」を付ける必要があるようです。
かつては日本経済の規模といえばGNP(国民総生産)でした、いまは、GDP(国内総生産)を使うのが普通です。
ところで、GNPとGDPの違いは何でしょうか。
GNP/国民総生産は、生産によって日本経済へ貢献(付加価値)を国籍(日本人、日本企業)によって合計します。今のGDP/国内総生産は、国境線によって日本国内で生産された付加価値の合計です。
皆様すでにご存じのように、最近の日本経済は、海外で日本企業が結構な利益を上げるようで、配当として支払われる金額(国際収支統計の経常収支の中の第一次所得収支)が大変大きな金額になってきています。
以前は、「日本企業は海外に行っても市場拡大がやっとで、利益率は低い」などと言われたものですが、今は利益を上げ巨額な配当を送ってきます。
平成27年(暦年)の数字を見ますと20.8兆円で、前年比2.7兆円増です。ところがこれは日本国内で生まれた価値ではないので、GDPには入ってきません。
日本のGDPは503兆円(今年度、政府経済見通し実績見込)ですが、これには第一次所得収支の20.8兆円は入っていないのです。
では何を見れば、全体が把握できるのでしょうか。
こうした海外からの所得収支を加えたものは、以前のGNPと似た概念で、今は、GNI(国民総所得:所得ですから生産面ではなく、同じものを所得面から捉えたもの)として国民経済計算(国民所得統計)に示されています。
ということで平成27年度のGNI/国民総所得(政府経済見通し実績見込)を見ますと527.1兆円になっています。
つまり、国民総所得として日本国民が使える金額は527兆円余で、そこまで使っても日本国は赤字にならない、ということです。
この増えた分というのは、サラリーマンの家計で言えば、賃金のほかに持ち株の配当が入るようなものです。それも結構な金額です。
日本が本格的に資本蓄積国家になった証拠でしょうか。これも日本の実力です。
実力が付いたお蔭で考えなければならないことも増えました。
かつて日本は大幅な貿易黒字で、輸出しすぎるという批判を受け、アメリカとは、繊維交渉から、鉄鋼交渉、自動車交渉、半導体交渉と貿易摩擦を繰り返してきました。それでも黒字が続くので、何とか日本を弱くしたいとプラザ合意で円高を強いられました。
最近は、貿易収支は赤字のこともあるぐらいになりましたが、第一次所得収支(海外からの配当収入)が大きくなって、経常収支の黒字は続いています。
黒字の国は赤字の国(代表はアメリカ)から妬まれます。万年黒字の日本は「経済戦争の防衛力」を付ける必要があるようです。